今回は粘着ラバーとテンションラバーの性能の比較について
①回転量
②飛び出し角度
③スピード
の3点について解説します。
粘着ラバーとテンションラバーの打球時の力と回転量の関係を表すグラフを示します。
基本的な性能はテンションラバーは弱い力において回転量は粘着ラバーよりも優れます。
なので私は始めたばかりの選手には、厚さ中のテンションラバーをお勧めしています。
しかしある程度インパクトを出せるようになってくると回転量は粘着ラバーが上回ります。
テンションラバーでは粘着ラバーと比較して、ラバー自体が軟らかいため、あるところを境に限界が見えてきます。
中国ラバーは硬く、ラバー自身の弾みは小さいので、弱い力では回転量が少なく、強い力では回転量が多くなる、線形的な性能を持っています。
粘着ラバーをフォアに使用している中国選手は、ジュニアオリンピックなどでは日本選手に負けることがありますが、力がついて成長するにつれてよりインパクトが強くなり、粘着ラバーの性能を引き出し、強い回転をかけることができ、立場が逆転します。
バックハンドにおいてはインパクトの力がフォアよりも弱いため、テンションラバーが選ばれることが多いです。
粘着ラバーとテンションラバーの打球時の力と飛び出し角度の関係を表すグラフを示します。
飛び出し角度とはボールに対して垂直にボールをとらえた際に、ラバーからどのような角度でボールが放たれるかを言います。
粘着ラバーとテンションラバーの飛び出し角度は全く異なります。
一般的に粘着ラバーは弧線が上がりやすいと言われることが多いですが、テンションラバーの方が飛び出す角度は上になります。
テンションラバーは飛び出し角度が大きく回転を簡単にかけることが出来ますが、言い換えれば回転の影響を受けやすいと言えます。
テンションラバーの飛び出し角度は一定では無く、強いインパクトにおいては、飛び出し角度が大きくなります。
つまり、しっかりと回転をかけることが出来ないとボールはオーバーしてしまいます。
一方で中国ラバーは硬く、コシがあり回転の影響を受けにくいのが特徴です。
粘着ラバーが下回転サーブを持ち上げやすいのはこれのおかげですね。
また、飛び出し角度が小さいので、強いインパクトでもオーバーせず、台に収めることが出来ます。
これこそが中国選手が、台に非常に近いところから低い弧線でコースを突くドライブで、オーバーミスが発生しにくい理由です。
粘着ラバーとテンションラバーの打球時の力とスピードの関係を表すグラフを示します。
テンションラバーは粘着ラバーと比較して、軟らかく、よく弾み、弾力があります。
弱い力においては、テンションラバーはスピードに優れますが、力が強くなるにしたがって限界が見えてきます。
粘着ラバーはスピードが出ないラバーではなく、打球の力に比例して威力が上がっていくラバーであるため、インパクトが強い選手においては粘着ラバーでスピードを出すことが出来ますが、インパクトの弱い選手ではスピード性能を発揮できません。
これが粘着ラバーはスピードが出ないと言われる原因です。
今回は粘着ラバーとテンションラバーの性能の比較を行いました。
粘着ラバー、テンションラバーには性能において違いがあり、向いている選手、向いていない選手が存在します。
これを機に自分は本当に粘着ラバーでいいのか、テンションラバーでいいのか、などを考えることで、上達に繋がるかもしれません。
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今回の内容が役に立てば幸いです。
次回の投稿でお会いしましょう!良い一日を!