今回は卓球ラケットのグリップの中で中国選手が多く使用しているフレアFLについて
①グリップの種類
②中国選手がFL・ヨーロッパ選手がSTの理由
の2点について解説していきます。
シェークハンドの卓球ラケットのグリップは大きく分けて4つ存在します。
①フレア(FL)
フレアはグリップ先端がやや細く、裾にいくほど広がるような形状です。
②ストレート(ST)
ストレートはその名の通り真っすぐなグリップ根本、裾どこを握っても同じ太さです。
③アナトミック(AN)
アナトミックはグリップ中央部が一番膨らんだ形状になっています。手の小さい人では太く感じるかもしれません。
④コニック(CO)
コニックグリップはフレアと似ていますが、ストレートの上部にテーパをかけたような形状で、円錐に近いです。
フレアとストレートは使用者が多く、アナトミックとコニックは少ない印象です。
よほどのこだわりがない限りは選べるラケットの種類も多いので、フレアやストレートをお勧めします。
一般的にフレアはフォアハンドに適していて、ストレートはバックハンドとフォアハンドの切り替えがやりやすいと説明されることが多いです。
その考えも間違ってはいませんが、では中国選手はどうでしょうか、バックハンドとフォアハンドの切り替えに苦戦していますか。
バックハンドを得意とするFan Zhendong選手やZhang Jike選手はストレートグリップでしょうか。
今回は中国でなぜフレアが使用されているのか、解説します。
中国において、ラケットを握るのに力を入れるのは、打球の瞬間だけで、打球前後は力を抜くように教えられています。
打球前後の力を抜いてる際に面が維持でき、ラケットがぶれないのはやや平たい形状で、裾が広がっているフレアだけです。
フレアであれば力を抜いてスイングしているときに飛んでいく心配がありません。
中国選手のスイングを見てみると、打球の前後は手首が自由に動いていますが、打球の瞬間だけは強く握り、手首も含めて体全体に力を入れて、打球しているのが確認できます。
腕全体をムチのようにしなやかに打球出来るのは力が抜けている証拠です。
打球前後は力を抜き、打球の瞬間に力を入れることで、ボールに力がしっかりと伝達し、なおかつ疲労を少なくすることが出来ます。
力を抜くことで、手首の加速を力に変換することができ、ボールの回転、スピードすなわち威力を上げることが出来ます。
ヨーロッパにおいて、ラケットは常に一定の力で握り面を固定して打球するように教えられています。
常に一定の力で握るためには、しっかりと握れて面のぶれないストレートやアナトミックが適しています。
フレアでは細すぎてしっかりと握っても面がぶれるためヨーロッパでは選ばれにくい特徴があります。
ヨーロッパ選手は常に一定の力で握っているので、腕がムチのようにはしならず、スイングがやや硬い印象を受けませんか。
一定の力で握っているので手首のスナップが効きにくく威力を上げるにはスイングそのものを早くし、インパクトを強くする必要があります。
今回は卓球ラケットのグリップ、フレアとストレートについて解説しました。
中国とヨーロッパでは卓球のラケットの握り方や、大切にしている考えが異なるために、選ばれるグリップも違ってきます。
グリップにより最適なスイングが変わってくるので、手首が動いているか、腕がしなっているか、固定されているかなどを確認しながら、試合観戦するのも面白いかもしれません。
どちらが優れているということはなく、自身が扱いやすい方を使用することが一番大切です。
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今回の内容が役に立てばうれしいです。
次回の投稿でお会いしましょう!良い一日を!
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コメント失礼します。
いつも楽しくブログを拝見していて、とても勉強になります。
私は今ままでSTを使っていたのですが最近FLを使い始めどうにも振り遅れや、感覚が合わず悩んでいました。
ブログを拝見するに私の打球方法がSTに向いている打ち方になっていてFLに適していなかったため合わない様に感じた、、、ということもあるのでしょうか
鈴谷さん
コメントありがとうございます。
そうですね、STはグリップが太めで面が固定され、しっかりと握れるので打球時のボールの感覚が伝わりやすい性質があります。
FLもインパクト時にしっかりと握ることが出来れば、面も出せ、感覚も伝達されます。
しかし、FLは面が固定されにくいので、慣れるまでは感覚が悪いと感じる方が多いです。
FLを使いこなすには指も含めて正しい握りにする必要があります。
元々STで調子が良いようでしたら、無理にFLを使い続けるよりも慣れているSTに戻す方が良いのかなと思います。
せっかくの楽しい卓球をグリップの悩みで楽しめないのは、もったいないです。
参考になりましたら幸いです。
そのうちグリップの握り方についても解説します。
よろしくお願いします。